• Top page
  • Timetable
  • Per session
  • Per presentation
  • How to
  • Meeting Planner

演題詳細

Educational Lectures


開催日 2014/9/13
時間 17:10 - 18:10
会場 Room D(503)
Chairperson(s) 椛 秀人 / Hideto Kaba (高知大学教育研究部医療学系基礎医学部門生理学講座 / Dept.of Physiol., Kochi Med.Sch., Kochi Univ.)

香りを楽しむ脳のしくみ

  • EL10
  • 森 憲作 / Kensaku Mori:1 
  • 1:東京大学大学院医学系研究科 細胞分子生理学分野 / Dept.of Physiol., Grad.Sch.of Med., Univ.of Tokyo 

毎日の食事を楽しむのに、香りが重要な役割を果たす。 嗅覚神経回路は、外界の食べ物からでる匂い分子を吸息とともに鼻腔内に吸い込むことによって、活動が誘起されるとともに、口の中で咀嚼された食べ物からでた匂い分子が呼息とともにレトロネーザル経路を介して嗅上皮へ到達したときにも、活動が誘発される。 このレトロネーザル経路を介する嗅覚神経回路の活動が、食べ物の風味や好みを決定する上で重要な働きをすることが知られている。 このように、嗅覚神経回路の働きは、呼吸リズムと密接に関連する。 1991年の匂い分子受容体遺伝子ファミリーの発見を契機にして、嗅覚神経系の機能ロジックの知識は最近の20年間に劇的に進歩した。これにより、嗅球の「1糸球―1受容体ルール」、「糸球モジュール」、「活性化糸球の組み合わせコード」、「嗅球匂い地図内の領域別機能分化」等の概念が生まれ、現在、嗅皮質の機能ロジックの解明へと嗅覚研究が進んでいる。本講演の前半部では、外界の匂い分子の吸いこみによって引き起こされる嗅球や嗅皮質の神経回路の活動を示し、無数の匂いを識別する神経回路ロジックの知識の進歩を、嗅覚研究の歴史に沿って解説する。 嗅球や嗅皮質の神経回路は、吸息時には外界からの匂い信号により活動が誘発されるが、呼息時には、外界の匂い情報からは遮断され、内因性の神経回路活動が主役を演じる。 本講演の後半部では、呼吸の吸息相と呼息相では全く異なる情報処理モードを示す高次嗅覚神経回路の働きについて焦点を合わせ、これからの嗅覚神経回路研究の展望を議論したい。 とくに、呼息相や覚醒休息時、さらには睡眠時などのoff-line時での、大規模嗅覚神経回路の働きを推論する。 このような高次嗅覚神経回路の知識は、我々が食事やワインを楽しむことを可能にする脳の秘密(神経回路ロジック)を探るうえで、重要な手がかりを与えると期待される。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

Copyright © Neuroscience2014. All Right Reserved.