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演題詳細

Educational Lectures


開催日 2014/9/11
時間 18:00 - 19:00
会場 Room D(503)
Chairperson(s) 渡邉 大 / Dai Watanabe (京都大学大学院医学研究科生体情報科学 / Graduate School of Medicine, Kyoto University)

行動選択の情報処理機構:分子からシステムの理解に向けて

  • EL3
  • 中西 重忠 / Shigetada Nakanishi:1 
  • 1:大阪バイオサイエンス研究所 システムズ生物学部門 / Osaka Bioscience Institute 

状況の変化に応じて瞬時に行動を選択する脳機能は動物が生存するための必須の機能である。行動選択において、1. 相反する行動をもたらす情報がどのように処理されるのか、2. 瞬時の行動選択はどのような機構で誘発されるのか、3. 行動選択における相反する応答は独自の機構或いは共通の機構によって誘導されるのか、この点を明らかにすることは脳機能の制御を知る上で重要な課題である。好ましいものを求める報酬行動と不快、或は危険なものを避ける忌避行動は、代表的な行動選択のひとつである。報酬と忌避行動さらに状況に応じた行動の柔軟性は大脳皮質の下部にある大脳基底核の神経回路によって制御され、ドーパミン神経伝達物質が求める、避けるという行動選択の制御に必須の役割を果たしている。しかし、基底核には直接路、間接路の2つの出力経路があり、報酬、忌避、記憶の柔軟性におけるそれぞれの経路の役割と制御機構は多くが不明のまま残されている。我々はそれぞれの経路の神経伝達を選択的かつ可逆的に遮断出来るモデル動物(可逆的神経伝達阻止法:RNB法)を作成する事に成功し、直接路は報酬行動及び薬物依存の誘発を支配し、一方、間接路は忌避行動を支配する伝達経路である事、また行動の柔軟性には両経路の経時的な制御が重要である事を明らかにした。さらに RNB法と薬理学的手法を組み合わせ、ドーパミンのダイナミックな反応が報酬、忌避、柔軟性をもたらす神経可塑性の誘導に必須の役割を果たしていることを明らかにした。本会においては報酬と忌避という行動選択の神経回路と制御機構に関する我々の研究成果を紹介し、平行した神経経路からなる神経回路が情報の選択を制御する上でどのような意義を有するのかを議論したい。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

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