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女性会員比率からみる日本神経科学学会における男女共同参画男女共同参画学協会連絡会委員
総合研究大学院大学 国立遺伝学研究所 平田 たつみ 現在、内閣府により男女共同参画基本計画の改訂作業が進められています。長期にわたる経済活動の低迷や、急速に進む少子高齢化など、現行の基本法制定当時には想定されていなかった日本の状況変化に柔軟に対応することで、さらなる男女共同参画社会の実現に向けた新たな一歩となると期待されています。次期基本計画の方向性についてはすでにホームページ等
(http://www.gender.go.jp/info/chukanseiri-index.html)で公表されておりますが、ここで注目すべき点は、新たな取り組みを必要とする分野の筆頭に「科学技術」があげられていることです。我が国の女性研究者の割合は研究者全体の11.6%とされており、増加傾向にはあるものの、欧米の女性研究者比率20-35%からは大きく水をあけられています(平成17年度版男女共同参画白書より)。今後の少子化に伴い、研究者・技術者の不足が深刻化する中で、女性研究者の参画に期待の目が向けられるのは当然のことであると思われます。また男女を問わず多様な個性の参加は、継続的な科学・技術の発展のためにも有効であると考えられます。時を同じくして改訂が進行中の科学技術基本計画においても、人材の育成と確保に重点が置かれ、女性研究者の活躍の促進が重要方針の一つとして打ち出されるといわれております。 日本神経科学学会は、昨年末、男女共同参画学協会連絡会
(http://annex.jsap.or.jp/renrakukai/ 以下連絡会と省略)に加盟し、男女共同参画に対する取り組みを本格的に開始いたしました。連絡会とは、2002年7月に発足した理工学系学協会のつくるネットワークで、科学技術の分野において男女がともに個性と能力を発揮できる環境づくりを目指して活動しております。現在25の正式加盟学協会と20のオブザーバー加盟学協会で構成されており、2003年に当連絡会が行った大がかりな科学技術系専門職実態アンケート調査をご記憶の方も多いことと思います。 このたび連絡会で学協会ごとの女性会員比率の調査が行われました。この調査で特に注目していましたのは、一般会員と学生会員との間で女性比率がどの程度違うのかという点です。学生会員を「この専門分野を学ぼうと志した人」、一般会員を「この分野で研究活動をする何らかの職を得ることができた人」ととらえて、その中の女性比率を比較することで、どれだけ研究技術職の門戸が女性に対して開かれているのかを探ろうとしたともいえます。大学等の研究者の現状として、大学院生のうちは女性比率が比較的高いが、ポスドク、助手、講師、助教授、教授と職層が上がるにつれて如実に下がることが示されていますので、その差の研究分野間での比較を目指したわけです。結果を表1に示しますが、この調査に協力した学協会の中で、日本神経科学学会は、なんと!日本女性科学者の会に次いで“学生会員と一般会員における女性比率の差が小さい学協会”であるということが示されました。(日本女性科学者の会は全構成員の90%以上を女性が占める少し特殊な団体ですので、日本神経科学学会が最も学生会員と一般会員との落差が無い学会であったといっても差し支えないかもしれません。)
注意深くこのデータを見ていただければすぐに気づかれると思いますが、この結果の理由の一つとして、神経科学学会の学生会員の女性比率が低いことが考えられます。生物系の学会では、学生会員の女性比率は軒並み30%前後ですので、それに比べると神経科学学会の19.0%はかなり低めです。特に最近4年間の学生会員女性比率の伸びには頭打ちの傾向が見られますので(表2)、神経科学のおもしろさをもっと積極的にアピールするなど、より多くの優秀な女子学生をこの分野に引き込む努力が必要かもしれません。いずれにしましても、一般会員の女性比率はここ数年間順調に増加していますし(表2)、今後も学生会員と一般会員との落差のない傾向を保ったままで推移してゆくことさえできれば、理想的な男女共同参画が達成できると期待できます。
最近、行き過ぎたジェンダーフリーと叩かれる事の多い男女共同参画活動ですが、男女にかかわらず個人の能力を最大限に発揮することに異議を唱える人はいないと思います。また、眠っている女性の能力に対して、もったいないと感じているのも私だけではないと思います。女性比率の細かな数値に一喜一憂するむなしい時代は早く終わりにしたいと願いつつも、我々の学会の健全性が示されたのは喜ばしい事だと思いご報告申し上げます。
資料提供ならびに記事に対する助言をいただきました東京大学 伊藤啓、大坪久子両氏と連絡会の皆様に感謝致します。
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表1 学会ごとの女性会員の比率
2005年6月男女共同参画学協会連絡会の調査資料から改変。各学会の最新データにおける一般会員ならびに学生会員の総人数、女性数、女性比率を示す。学生会員と一般会員における女性比率の比を取り(学生/一般 女性比率)、順に並べた。*印は連絡 ![]() 表2 神経科学学会における女性会員数、比率の年別推移
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