【主旨】
人間の資質に影響を与えるのは主として遺伝か環境かという問題は、昔から幾度となく議論されてきました。なぜ敢えて今、領域架橋型シンポジウムの主題としてこの問題を取り上げるのかというと、それは第一に、最近の分子生物学の進展が挙げられます。それはDNAの配列以外に、遺伝子発現の環境要因も少しずつ明らかにされつつあることです。第二は、神経科学も急速な進展を遂げたことにより、環境からの刺激によって脳内神経回路が構築・改変されていく過程が明らかになってきたことです。
現時点での最先端の科学的知見に基づき、「遺伝と環境の相互作用」という新たな切り口から議論し、深刻な種々の社会問題解決への示唆や、教育への提言、そして、より深い人間理解へとつなげていくことを試みたいと考えています。