[神経科学の発展のために] 神経科学分野における霊⻑類を対象とする実験ガイドライン

神経科学分野における霊長類を対象とする実験ガイドライン
 
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令和3年4月22日 ガイドライン一部改訂

ペントバルビタールの市販医薬品の使用期限切れを受けて、本ガイドライン中の
当該薬品に関する記述を改訂しました。改訂版を掲載します。ご参照ください。
動物実験委員会委員長 竹村文
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令和2年8月6日

 本ガイドラインは、霊長類を用いた神経科学研究分野において近年国際共同研究がますます盛んに行われ、共同で実験を実施したり実験データを共有したりすることが頻繁になっている状況を鑑み、研究者が主体となって日本神経科学学会においてマカクザルおよびコモンマーモセットを用いた神経科学研究および行動研究の実施を念頭において作成したガイドラインである。本ガイドラインでは、表現の強さを3段階設けた。「〜なければならない」は、是非守るべき内容を示す。「〜強く推奨する」は、それぞれの研究機関ごとの状況によって対応が異なる場合もあるが基本的に強く推奨されるべき内容を示す。「〜望ましい」は、目標として持っておき可能なら実現したい内容を示す。また、動物にとってより良い環境を考える際にウェルビーイングという語を用いた。「安寧」や「福祉」を用いる方が良いという意見もあるが、いずれも人間社会に偏重しているという声もあるため、ウェルビーイングとした。これは、National Research CouncilのGuide for the Care and Use of Laboratory Animals (8th ed.)の翻訳でも訳語として当てられていることにもよる。
 また、本ガイドラインでは、2つの主要な提案を盛り込んだ。1点目は、複数頭飼育が可能な設備(ケージ)の導入を進めるということである。これについては2030年を目処に実現することを目指す。ただし、ニホンザルでのペア飼育の長所・短所に関する知見・経験が乏しい(欧米での知見は基本的にアカゲザルとカニクイザルから得られたものであり、それがニホンザルにすぐに適用できるかわからない)ことから、約5年後を目途に、国内の実態調査等を行って、見直しが必要かどうかを検討する。2点目は、獣医学的管理に関して獣医師との連携体制を確立することである。これについては2025年を目処に実現することを目指す。

 実験動物の適切な飼養および「3Rの原則」を遵守した動物実験の適切な実施に役立てていただきたい。
 
日本神経科学学会会長               柚﨑通介
       
神経科学分野における霊長類を対象とする          
実験ガイドラインの策定に関する専門委員会委員長    中村克樹

 

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