フロリダ大学UF Scripps Institute服部研究室
(脳高次機能・学習・VR) ポスドク募集
研究内容
米国フロリダ州にあるフロリダ大学UFスクリプス研究所の服部研究室にて、新しいポスドク研究員を募集しています。服部研究室ではマウスを用いて脳の高次機能や学習のメカニズムの解明を目指しています。現在、研究室では脳における数情報の処理や強化学習・意思決定のメカニズムに関する研究を行っています。今回募集するポスドクの方には、PI(服部)と相談の上、いずれかに関連する研究テーマに携わっていただくか、あるいは脳高次機能に関する新規研究テーマに携わっていただくことを考えています。
服部研究室
服部研究室では様々なマウスの新規行動課題をUnityベースのVR(仮想現実)で開発しています。研究室内には16個のVR行動実験セットアップがあり、必要があれば新規行動課題の開発テストも速やかに行うことが可能です(PIが開発をサポートします)。また、広視野二光子励起顕微鏡、ファイバーフォトメトリー顕微鏡、オプトジェネティクス等のin vivoイメージングや神経活動操作に必要な機器もそろっています。広視野二光子励起顕微鏡とオプトジェネティクスを組み合わせたall-optical実験(イメージング中のopsinによる神経活動操作)も行っています。また、動物行動や大規模神経集団活動の数理的モデリング、AIを用いたネットワークシミュレーション等も行っています。研究室内では基礎の神経メカニズムに加え、自閉症における脳高次機能・学習に関連した神経異常の研究も行っています。
研究室HP:
https://hattori.scripps.ufl.edu/
研究環境
UFスクリプス研究所はサンディエゴにあるスクリプス研究所のフロリダキャンパスとして2004年に発足した研究所です。Max Planck Florida InstituteやFlorida Atlantic Universityと隣接しており、地域では活発な神経科学の研究が行われています。2022年にはUniversity of Floridaと合併し、University of Floridaが保有する米国有数のスパコン(
https://ai.ufl.edu/research/hipergator/)等も使用できるようにもなりました。
生活環境
UFスクリプス研究所のあるフロリダ州ジュピターは、緑が多く大変きれいな町並みのリゾート地です(
https://www.thepalmbeaches.com/explore-cities/jupiter)。大西洋に面しており、水温も高いので海水浴やスキューバダイビング等も楽しめます。自然が非常に豊かで生物も多様なので自然散策や釣りを楽しむ人も多いです。気候は年中を通して温暖で、治安は非常に良いです。また、フロリダ州では州の所得税がないので給与に対する手取り額は比較的多くなります。
応募資格
博士号を取得、あるいは取得見込みの方。複数年在籍し、大きな成果を出す意欲のある方。また、必須ではありませんが以下のいずれかに該当する方を特に歓迎します。
- 脳のイメージング、あるいは電気生理の経験がある方。
- 動物実験の経験はなくても構いませんが、実験を学ぶ意欲があり、Python, MATLAB等を用いたデータ解析の経験が豊富な方。
待遇
給与は採用時のNIHの規定に準じ、毎年昇給します。健康保険・年金等もサポートします。
採用時期
ある程度柔軟に対応可能です。ビザ取得等に時間がかかるため、興味のある方は早めに応募・問い合わせをしてください。
応募方法
これまでの研究の概要と興味を明記した上で、履歴書を下記のemail アドレスまでご送付ください。適任者の採用が決まり次第、募集を締め切ります。正式な応募の前に質問がある方は、気軽にメールでお問い合わせください。
応募書類送付先、問い合わせ先
服部亮磨 (Ryoma Hattori, Ph.D.)
Email:
rhattori@ufl.edu
参考文献
Hattori, R. #, Hedrick, N.G., Anant, J., Chen, S., You, H., Hattori, M., Choi, J.H., Lim, B.K., Yasuda, R., and Komiyama, T. # Meta-reinforcement learning via orbitofrontal cortex. Nature Neuroscience, 2023, 26, 2182–2191 (#Correspondence)
Hattori, R.# and Komiyama, T. # PatchWarp: Corrections of non-uniform image distortions in two-photon calcium imaging data by patchwork affine transformations. Cell Reports Methods, 2022, 2(5), 100205. (#Correspondence)
Hattori, R.# and Komiyama, T. # Longitudinal two-photon calcium imaging with ultra-large cranial window for head-fixed mice. STAR Protocols, 2022, 3(2), 101343. (#Correspondence)
Hattori, R.# and Komiyama, T. # Context-dependent persistency as a coding mechanism for robust and widely distributed value coding. Neuron, 2022, 110(3), 502–515. (#Correspondence)
Hattori, R.#, Danskin, B., Babic, Z., Mlynaryk, N. and Komiyama, T.# Area-specificity and plasticity of history-dependent value coding during learning. Cell, 2019, 177(7), 1858-1872. (#Correspondence)